薬草「キハダ」

薬草「キハダ」

学名: Phellodendron amurense

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アジアに広く自生するキハダの樹皮は、生薬として古くから利用されてきました。苦みを持つアルカロイドを豊富に含むミカン科キハダ属の落葉高木です。

黄蘗(キハダ)

生薬名はオウバクで、薬用部位は内樹皮です。外樹皮を剥がすと見える内樹皮が黄色いのが特徴で、和名の由来となっています。

  1. 生育環境と植物の形態:
    キハダは、主に日本、中国、台湾、韓国などの東アジア地域に自生しています。一般的には、低山地から山地の森林に生育し、湿度の高い環境を好みます。
  2. 花の特徴:
    キハダは大型の常緑樹で、高さは20メートル以上に達することもあります。葉は楕円形で光沢があり、葉裏は白っぽい色をしています。花は春に咲きます。花は小さく、クリーム色から白色をしており、芳香があります。
  3. 効能:

    苦味健胃整腸薬として生薬製剤の原料にも用いられます。また、局所鎮痛作用があり、筋肉痛や関節痛などに効果があります。マッサージオイルや湿布などに利用されます。

    抗菌作用があり、傷口や虫刺されなどの消炎に役立ちます。

    その香りはリラックス効果があり、ストレスや不安を軽減する効果があります。アロマテラピーなどで利用されます。

  4. 特色:
    キハダは、黄蘗色(きはだいろ)ともよばれる鮮やかな黄色の染料で黄色に染め上げる以外に赤や緑色の下染めにも利用されます。なかでも、紅花を用いた染物の下染めに用いられるのが代表的で、紅花特有の鮮紅色を一層引き立てるのに役立っています。
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