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日本、中国、朝鮮半島に分布する多年草で山地や草原に生育するムラサキ科の植物の一種です。万葉集にもその名が出るほど歴史は古く、奈良時代から江戸時代末期まで栽培が行われてきましたが、野生では自生地の環境悪化によって、自生のものは非常に少なく、絶滅危惧種になっています。
生薬はシコンで、薬用部位は根です。和名は、根の色が濃紫色を呈することに由来します。染料植物であり薬用でもあるムラサキは、飛鳥時代より冠位十二階の最上位の色として、高僧の法衣など高貴な人のみが着用を許された紫色を得る植物で、国宝の「国分寺経」の紫紙金字の染色にも使われた特別な天然色素原料です。
紫(ムラサキ)
生薬はシコンで、薬用部位は根です。和名は、根の色が濃紫色を呈することに由来します。染料植物であり薬用でもあるムラサキは、飛鳥時代より冠位十二階の最上位の色として、高僧の法衣など高貴な人のみが着用を許された紫色を得る植物で、国宝の「国分寺経」の紫紙金字の染色にも使われた特別な天然色素原料です。
比較的冷たい山地の草原に自生します。多年草で、根は太く、乾燥すると暗紫色になります。茎は直立し、草丈は30-80センチメートル ほどになり、上部は枝分かれします。
7月頃、小さな白色の花を枝の先端や葉腋に多数つけます。
抗炎症作用、創傷治癒の促進作用、殺菌作用などがあります。江戸時代後期に外科医として有名な華岡青洲が考案した「紫雲膏」に外用薬として配合されています。