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初霜が降りたころが採集期で、完熟果の外皮を除いて、内皮を薄切りにして日干しした冬瓜皮(とうがんひ、とうがひ)や、種子を水洗いしてから日干しした冬瓜子(とうがんし、とうがし)と称されるものが生薬になり、薬用にされる。
漢方では、冬瓜子を緩下、利尿、消炎の目的で、大黄牡丹皮湯(だいおうぼたんぴとう)などの処方に配剤している。果実に含まれるカリウムは、体内の余分なナトリウムを排出する働きがあり、血圧上昇をコントロールして、高血圧症予防に役立つといわれ、むくみの解消にも効果的である。
民間療法では、腫れ物やむくみ取りに、冬瓜子は1日量5 - 10グラムを、冬瓜皮の場合では1日量10グラムほどを、約600 ccの水で半量になるまで煎じて、1日3回に分けて服用する用法が知られている。そばかす取りに、冬瓜子と白桃花(はくとうか)の粉末を、それぞれ同量の割合で蜂蜜でクリーム状に練ってつけるとよいといわれている。
身体を冷やす作用があり冷え症の人は服用禁忌とされ、加えて排泄作用が強いため下痢や頻尿の起きやすい人は食べ過ぎに注意が必要である。
逆にのぼせ症や膀胱炎の解消、手足のむくみを改善させる効果がある。
山野、路傍、そして圃場に咲く薬草を撮影した写真を掲載しています。